【AI×プレゼン第2回】ChatGPTでプレゼンの構成を自動生成する方法|そのまま使えるプロンプト例つき

業務効率化

はじめに

プレゼンを作るとき、一番詰まるのは「最初の一枚」ではなく「全体の流れ」だ。何をどの順番で伝えれば相手に伝わるのか、その構成を考えるところで手が止まる。

ChatGPTは、その構成づくりを得意としている。ブラウザだけで使えて、Microsoft 365のライセンスも不要。テキストを入力すれば、スライドの骨格を数分で出してくれる。

この記事では以下の3点を扱う。

  • ChatGPTでスライド構成を生成するための具体的なプロンプトの書き方
  • 生成された構成を実際に使えるレベルに仕上げる修正の手順
  • ChatGPTが得意な作業と、人間が判断を持つべき作業の境界線

前回の第1回ではCopilotを使ったPowerPointの自動生成を紹介した。CopilotがPowerPointに直接出力できる一方、ChatGPTはツールを選ばず構成を考える段階で幅広く使える。用途が少し異なるので、両方を把握しておくと便利だ。


目次

  1. ChatGPTをプレゼン構成に使うとはどういうことか
  2. 使い始める前に準備すること
  3. スライド構成を生成するプロンプトの書き方
  4. 生成された構成をPowerPointに落とし込む手順
  5. Before→After:構成づくりにかかる時間の変化
  6. ChatGPTが得意なこと・苦手なこと
  7. よくある質問
  8. まとめ・次回予告

1. ChatGPTをプレゼン構成に使うとはどういうことか

ChatGPTにスライドを作らせるのではなく、スライドの設計図を出させるというのがここでの使い方だ。

具体的には、発表のテーマ・対象・目的をChatGPTに伝えると、「1枚目はタイトル、2枚目は課題の提示、3枚目は…」という形でスライドの流れを提案してくれる。その構成をそのままPowerPointに転記するだけで、白紙のスライドを前に悩む時間がなくなる。

第1回で紹介したCopilotとの違いは、出力先がPowerPointに限定されない点だ。GoogleスライドでもKeynoteでも、どのツールで作る場合でも同じプロンプトが使える。


2. 使い始める前に準備すること

ChatGPTの利用にはアカウントの作成が必要だ。無料プランでも構成づくりには十分使えるが、GPT-4oを使える有料プラン(ChatGPT Plus、月額20ドル前後)のほうが出力の精度が上がる。

ブラウザからchat.openai.comにアクセスしてアカウントを作成すれば、すぐに使える状態になる。アプリのインストールは不要だ。


3. スライド構成を生成するプロンプトの書き方

基本の構造

ChatGPTへの指示で押さえておきたいのは4つの要素だ。

  • 誰に向けたプレゼンか(対象)
  • 何を伝えるか(テーマ・目的)
  • 発表時間またはスライド枚数
  • 発表後に相手にどう動いてほしいか(ゴール)

この4点を含めた指示を出すと、ChatGPTが構成を設計しやすくなる。

そのまま使えるプロンプト例

例1:社内向け提案プレゼン

以下の条件でプレゼンのスライド構成を作成してください。

対象:社内の管理職(10名程度)
テーマ:業務効率化ツールの導入提案
発表時間:15分(スライド12枚程度)
ゴール:ツール導入の承認を得る

各スライドのタイトルと、そのスライドで伝える内容を2〜3行で説明してください。

例2:顧客向けサービス紹介

以下の条件でプレゼンのスライド構成を作成してください。

対象:新規の法人顧客(IT部門の担当者)
テーマ:クラウドストレージサービスの紹介
発表時間:20分(スライド15枚程度)
ゴール:トライアル申し込みにつなげる

各スライドのタイトルと、そのスライドで伝えるべき要点を箇条書きで示してください。

構成を調整するための追加指示

最初の出力が意図と少し違う場合は、続けて指示を出せばいい。

  • 「課題提示のスライドをもう少し具体的にしてください」
  • 「競合との比較スライドを追加してください」
  • 「結論を先に持ってくる構成に変えてください」

ChatGPTは会話の流れを引き継いでいるので、一から指示し直す必要はない。


4. 生成された構成をPowerPointに落とし込む手順

ChatGPTが出した構成は、テキストで返ってくる。それをPowerPointに転記する手順はシンプルだ。

  1. ChatGPTの出力をコピーする
  2. PowerPointで新規プレゼンテーションを作成する
  3. 各スライドのタイトルと要点を貼り付けながら、スライドを追加していく
  4. 内容の肉付けと数字・データの確認を行う
  5. デザインを整えて完成

第1回で紹介したCopilotと組み合わせることもできる。ChatGPTで構成を作り、その構成をCopilotに渡してPowerPointのスライドとして出力する——という流れにすると、両方のツールの強みを活かせる。


5. Before→After:構成づくりにかかる時間の変化

Before(ChatGPTなし)

作業所要時間
全体の構成を考える30〜60分
各スライドの内容を決める30〜60分
合計約1〜2時間

After(ChatGPTあり)

作業所要時間
プロンプトを入力する5〜10分
出力された構成を確認・調整する10〜20分
合計約15〜30分

構成を考える段階だけで見ると、時間が約3〜4分の1になる。ただし、この時間短縮はあくまで骨格づくりの話だ。内容の精度を上げる作業や、数字・データの確認にかかる時間は別で確保する必要がある。


6. ChatGPTが得意なこと・苦手なこと

ChatGPTが得意なのは、テーマと条件を渡したときに論理的な流れを組み立てること、複数の構成パターンを比較提案すること、発表者ノートの下書きを作ることだ。

一方で苦手な領域がある。自社の内部情報や非公開のデータは持っていないため、具体的な数字や固有の事例は自分で補う必要がある。また、聴衆の温度感や社内の力学を踏まえた構成の判断はできない。「この順番だと上司が反応しにくい」といった現場の感覚は、人間が持ち込むしかない。

ChatGPTが出した構成を土台にしながら、自分の知っている情報と現場の文脈を上乗せする——この使い方が一番機能する。


7. よくある質問

無料プランでも使えますか?

使える。ただしGPT-3.5ベースの無料プランは、GPT-4oと比べると構成の精度や表現の幅が下がることがある。まず無料で試して、物足りなければ有料プランを検討するといい。

日本語で指示を出しても問題ありませんか?

問題ない。ChatGPTは日本語に対応しており、日本語で指示を出せば日本語で返ってくる。ただし指示が短すぎたり曖昧だったりすると、出力が抽象的になりやすい。対象・テーマ・枚数・ゴールの4点を入れると精度が上がる。

生成された構成をそのまま使っていいですか?

たたき台として使うのが前提だ。数字や固有名詞はChatGPTが作ったものをそのまま信用しないこと。社内のデータや実際の事例に差し替えた上で使う。

社外秘の情報を入力しても大丈夫ですか?

ChatGPTへの入力内容はOpenAIのサーバーに送信される。社外秘や個人情報を含む内容は入力しないほうがいい。社内のAI利用ポリシーを事前に確認しておくことを勧める。

CopilotとChatGPT、どちらを使えばいいですか?

Microsoft 365を使っている環境であればCopilotがPowerPointに直接出力できて手間が少ない。ChatGPTはツールを選ばず、構成を考える段階でより柔軟に使える。両方を試して、作業の流れに合うほうを選ぶといい。


8. まとめ・次回予告

ChatGPTを使うと、スライドの構成を考える作業が大きく短縮される。対象・テーマ・枚数・ゴールの4点を入れた指示を出すことが、精度の高い構成を得るための基本だ。生成された構成はあくまでたたき台で、自社の情報や現場の文脈を加えることで初めて使える資料になる。

この連載ではここまでCopilotとChatGPTを取り上げた。次回はGeminiを使って、既存のスライドをブラッシュアップする方法を紹介する。GoogleドキュメントやGmailとの連携を活かしながら、最新情報を資料に反映させる手順を扱う予定だ。


次回予告:【AI×プレゼン第3回】Geminiでプレゼン資料をブラッシュアップする方法|Google連携で情報収集も同時に


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