【AI×プレゼン第3回】Geminiでプレゼン資料をブラッシュアップする方法|Google連携で情報収集も同時に

業務効率化

はじめに

プレゼン資料は「作った時点」で古くなり始める。競合情報、市場データ、業界トレンド——発表直前に数字を更新しようとして、調べ直す時間がなくなった経験はないだろうか。

GeminiはGoogleが開発したAIで、Google検索との連携を前提に設計されている。既存のスライドに対して「この内容に関連する最新情報を補足してほしい」と指示すると、Web上の情報を参照しながら提案を返してくれる。ChatGPTやCopilotとは、この点で使い方が少し異なる。

この記事では以下の3点を扱う。

  • GeminiをGoogle Workspace(スライド・ドキュメント)と連携させる手順
  • 既存のプレゼン資料をGeminiでブラッシュアップする具体的な方法
  • Geminiが得意な作業と、人間が判断を持つべき作業の境界線

第1回のCopilot、第2回のChatGPTと合わせて読むと、どのツールをどの場面で使うかの判断がしやすくなる。


目次

  1. GeminiとGoogle Workspaceの連携とは
  2. 使い始める前に準備すること
  3. Geminiでプレゼン資料をブラッシュアップする手順
  4. Google検索連携を活かした情報収集の方法
  5. Before→After:資料の質がどう変わったか
  6. Geminiが得意なこと・苦手なこと
  7. よくある質問
  8. まとめ・次回予告

1. GeminiとGoogle Workspaceの連携とは

GeminiはGoogleアカウントがあれば使えるAIで、GmailやGoogleドキュメント、Googleスライドと直接連携できる。

特徴的なのはGoogle検索との統合だ。ChatGPTは学習データの範囲内で回答を生成するが、GeminiはWeb上の情報をリアルタイムで参照できる。プレゼン資料に最新の市場データや業界ニュースを反映させたいとき、この差が出てくる。

Googleスライドで使う場合は、スライド画面の右側にGeminiのパネルが表示される。Copilotと同じくアプリの中で完結するため、コピー&ペーストの手間がない。


2. 使い始める前に準備すること

GeminiはGoogleアカウントがあれば無料で使える部分もあるが、Google Workspaceとの連携機能(Gemini for Google Workspace)はビジネスプランへの加入が必要になる場合がある。個人のGoogleアカウントで使う場合はgemini.google.comからアクセスするのが手軽だ。

Googleスライドとの連携機能を使いたい場合は、Google Workspace Business StandardまたはPlus以上のプランを確認しておく。会社のGoogleアカウントを使っている場合は、管理者に確認するのが確実だ。


3. Geminiでプレゼン資料をブラッシュアップする手順

ステップ1 既存のスライドをGeminiに渡す

Googleスライドを開き、右側のGeminiパネルを起動する。「このプレゼンの内容を確認して、改善点を提案してください」と入力すると、スライド全体を読み込んで提案を返してくれる。

gemini.google.comを使う場合は、スライドの内容をテキストとして貼り付けるか、Googleドライブのリンクを共有する形で渡す。

ステップ2 改善の方向を指定する

「改善してください」だけでは出力が曖昧になりやすい何をどう変えたいかを具体的に伝えると精度が上がる。

指示の例をいくつか示す。

このスライドの課題提示セクションが弱い。
聴衆が「自分ごと」として捉えやすい表現に変えてほしい。
3枚目のデータスライドに、2025年以降の最新の市場規模データを
補足してほしい。出典も示すこと。
全体的に文字が多い。各スライドの要点を箇条書き3点以内に
絞った版を提案してほしい。

ステップ3 提案を取捨選択して反映する

Geminiの提案をすべて採用する必要はない。出てきた案の中から、実際の発表シーンに合うものを選んでスライドに反映する。

特に最新情報を補足してもらった場合は、出典を必ず確認すること。Geminiが示したデータが正確かどうか、一次情報に当たって裏付けを取る習慣が必要だ。

ステップ4 発表者ノートをブラッシュアップする

スライドの内容が固まったら、発表者ノートの整備にもGeminiを使える

このスライドの発表者ノートを書いてほしい。
話す時間は1分程度、口語調で、聴衆への問いかけを1つ含めること。

こうした指示を各スライドに対して出すと、発表の流れを作る作業も短縮できる。


4. Google検索連携を活かした情報収集の方法

Geminiを使う場面でもう一つ有効なのが、プレゼンに必要な情報をまとめて調べさせることだ。

たとえばこういった使い方ができる。

2026年の国内SaaS市場の規模と成長率について、
信頼性の高い情報源をもとに要約してほしい。
プレゼンのスライド1枚分に使えるデータをまとめること。

ChatGPTで構成を作り(第2回)、Geminiで最新情報を補足し、Copilotでデザインを整える(第1回)——この3ツールの流れを組み合わせると、それぞれの強みを活かした作業分担ができる。


5. Before→After:資料の質がどう変わったか

Before(Geminiなし)

作業所要時間
最新情報を自分で検索・整理する30〜60分
スライドの表現を見直す20〜40分
発表者ノートを書く20〜30分
合計約70〜130分

After(Geminiあり)

作業所要時間
Geminiへの指示入力と確認10〜20分
提案の取捨選択と反映15〜25分
出典の確認10〜15分
合計約35〜60分

時間の短縮に加えて、「調べようと思っていたけど手が回らなかった」情報を拾いやすくなるのが実際のところ大きい。


6. Geminiが得意なこと・苦手なこと

Geminiが得意なのは、Web上の最新情報を参照しながら内容を補足すること、既存のテキストを読み込んで改善案を提案すること、Googleのサービスとシームレスに連携することだ。

苦手な領域もある。社内の非公開データや自社特有の文脈はGeminiには入っていない。また、提示してくる情報が常に正確とは限らないため、数字や事実関係は一次情報で確認する必要がある。

聴衆の反応を読んだ構成の判断や、発表者のキャラクターに合った言葉選びはAIには難しい。資料としての「型」はGeminiが整えられるが、「誰が、誰に向けて、どう話すか」の設計は発表者が持つ部分だ。


7. よくある質問

個人のGoogleアカウントでも使えますか?

gemini.google.comにアクセスすれば、個人アカウントでも使える。Googleスライドとの直接連携はGoogle Workspaceのプランが必要になる場合があるが、テキストを貼り付けて使う方法であれば無料で試せる。

ChatGPTと何が違うのですか?

最大の違いはWeb検索との連携だ。ChatGPTは学習データの範囲内で回答を生成するが、GeminiはGoogle検索を通じて最新の情報を参照できる。プレゼンに最新データを反映させたい場面ではGeminiが使いやすい。

Geminiが提示したデータはそのまま使えますか?

そのまま使わないほうがいい。Geminiが示す情報も誤りを含む場合がある。特に数字や統計は、示された出典を自分で確認してから資料に載せること。

日本語のプレゼンに使えますか?

使える。日本語で指示を出せば日本語で返ってくる。ただし英語圏の情報に比べると日本語の情報量が少ないケースがあり、最新の国内データを調べる際は結果の精度にばらつきが出ることがある。

GeminiとCopilot、どちらをメインに使えばいいですか?

Microsoft 365を使っている職場ならCopilotが使いやすい。GoogleドキュメントやGoogleスライドを使っている職場ならGeminiが連携しやすい。最新情報を資料に反映させたいシーンではGeminiの検索連携が有効に働く。


8. まとめ・次回予告

Geminiの強みは、既存の資料に最新情報を補足できることと、Googleサービスとの連携がスムーズな点だ。ChatGPTで構成を作り、Geminiで情報を補足し、Copilotでデザインを整える——この流れで3つのツールを使い分けると、それぞれの弱点を補い合える

ただし、Geminiが提示するデータの正確性は必ず自分で確認すること。ツールが出した情報をそのまま資料に載せるのではなく、一次情報に当たる習慣が、資料の信頼性を保つ。

この連載ではここまでCopilot・ChatGPT・Geminiの3つを取り上げた。次回は少し視点を変えて、AIが作った資料を「伝わるプレゼン」に仕上げるために人間の判断をどう加えるかを扱う。ツールの使い方ではなく、AIと人間の役割分担そのものがテーマになる。


次回予告:【AI×プレゼン第4回】AIに原稿を書かせるだけでは足りない|人間の判断で「伝わるプレゼン」に仕上げる方法


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